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遺言状だけでは十分ではない理由

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あなたは相続対策としてやっておくべきこととして、何を思い浮かべますか?
多くの方が「遺言状を残しておく」ことをお考えになられたのではないでしょうか?

たしかに生前に遺言状を残しておくことで、将来相続が発生した際にスムーズに手続きをおこなったり、残された家族間でのトラブルを防ぐことができることから、財産の多い少ないに関係なく遺言状は用意しておくべきです。

とはいえ、遺言状を用意しておけば将来安心できるか?というと、そうとは言い切れません。
じつは残された家族にとって、遺言状を用意するだけでは安心できない可能性も多くあります。

そこでこの記事では、遺言状を用意するだけでは安心できないリスクとその理由、リスクに備えておく最適な方法とは何か?について解説していきます。

この記事をご覧になることで、より安心して将来に備えることができるようになります。
ぜひ最後までご覧ください。

遺言状は生前の財産管理をカバーできない

なぜ、遺言状を用意しただけでは十分でない、安心できないのか?先にその理由をお伝えすると、遺言状はあくまで「死後に効力が発せられる」ものであり、生前にもしもの事態が発生した場合、遺言状は有効にはならないのです。

1.想定されるもしもの事態・・・それは認知症になった場合

もしもの事態が発生した場合、とは一体何か?それはあなたが認知症になってしまった場合です。

加齢や病気などにより、著しく認知機能が衰えてしまった場合、ご家族はあなたの財産を管理することができなくなります。仮に遺言状を残してあったとしても、です。なぜなら先ほど述べたように、遺言状はあなたが亡くならない限り有効にならないからです。

あなたが認知症になると、残されたご家族はどうするか?きっと治療や介護をするため、医療機関や介護施設の利用を考えてくれるでしょう。

では、その際のお金は誰がどこから用意すれば良いのでしょう?

あなたの口座にある預金?

財産を売却して資金を捻出?

残念ながら、それはいずれもできないのです。なぜなら、それらはいずれもあなたの承認が必要なことであり、認知機能が失われてしまった後では、例えあなたのご家族であってもできないからです。

2.認知症は高齢者の6.7人に1人が発症する

厚生労働省の研究班がまとめた資料(日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究)によると、高齢者における認知症患者の数は2040年には584万人にのぼると予想されています。

割合としては、高齢者のおよそ15%、約6.7人に1人が発症するとの予想がなされています。

次に、介護期間の推移を見てみましょう。

生命保険文化センターの調査によると、高齢者における介護期間は2021年時点で平均5年1ヶ月です。介護期間は高齢者の数が増えるにつれ、伸びる傾向にあることから、将来的にはさらに長期間になることが予想されます。

この介護期間において、認知症の判断がされた場合、その時点であなたの預金の引き出しができなくなったり、不動産が売れなくなる、という状態になります。

そうなると、あなたの治療のための医療機関への支払いや介護のための介護施設への支払はどうすれば良いのでしょう?あなたの預金や財産を当てにできない以上、お子さんたちのお金から立て替えるしかなくなってしまうのです。

あなたのために、大切なご家族を困らせることになってしまうのは、辛いことではないでしょうか?

生前の財産管理をカバーする方法

では、あなたが認知症になってしまっても、ご家族が安心して治療や介護に向きあえるよう、備えておくにはどうしたら良いのでしょうか?

1.生前の財産管理をカバーする2つの方法

大きく分けて方法は2つあります。1つは「後見人制度」を活用する方法、もう1つは「家族信託」を活用する方法ですが、ここでは「家族信託」をおすすめします。

家族信託とは「あなたの預金や不動産などの財産を、ご家族や信頼のおける人に管理運用を託す」という契約を結んでおくことで、もしも将来あなたが認知症などで判断能力がなくなってしまった場合も、従来どおり、財産の運用管理を継続できるからです。

※家族信託について、後見人制度について、詳しくは別の記事にてご紹介しています。

2.家族信託も元気なうちにしておくことが重要

家族信託をしておくことで、もしもあなたが認知症などで判断能力を失ってしまった場合も、治療や介護にかかるお金に関して、ご家族が不安を感じることを軽減できることが分かりました。

ですが、家族信託を活用する場合も1つだけ忘れてはならないことがあります。それは、あなたが元気なうちに結んでおくことです。これは家族信託に限らず、後見人制度を活用する場合も同様ですが、こうした制度は、いずれも認知症と判断されてしまった後では家族信託はできなくなってしまいます。

したがって、あなたが元気なうちに、今のうちに、大切なご家族が困らないように考えておくべきです。

遺言状と家族信託の役割を理解しよう

ここまでお読みになった方の中には「せっかく遺言を書いたのに」と感じた方もいるかもしれません。

ですが、ご安心ください。遺言がムダなわけではありません。

円満な相続を実現するために遺言はとても大切ですし、ぜひご用意しておくべきものです。

とはいえ、遺言は「死後に効力を発するもの」であり、家族信託は「生前から対策をしておくもの」という性質の違いがあります。

重要なことは、あなたがおかれた状況やお考えによって使い分けをしていただくことが重要です。

信託・相続対策のことなら花橋こずえ行政書士事務所にお任せください

最後に「自分にはどちらが良いんだろう?」などのお悩みは、お気軽にご相談ください。

当事務所では初回出張無料相談を承っておりますので、ぜひご活用いただければ幸いです。

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