障害者と家族のためにできること

障害のある子をお持ちの親御さんももちろんそうですが、未成年の子を抱えるシングルマザーさんやシングルファーザーさんも「自分に何かあったらこの子はどうなるんだろう」と心配されている方はたくさんいます。何の対策もせずに、突然の交通事故などで親御様が死亡してしまうと、残された子供たちは大変です。今日は、障害のある子が親亡きあとも無事に平穏に暮らせるようにどんな準備をしておいたら安心なのかをお話させていただきたいと思います。もちろん、シングルマザーさんやシングルファーザーさんにとっても今日お話しする内容を知っておかれることは大切ですので、参考に読んでいただければ嬉しいです。
今、日本にある制度を組み合わせよう!
例えば、任意後見契約をしておけば安心か?!というと、それだけでは不十分です。知的障害のある子が成人すると、契約や金融機関の手続きのために法定後見制度の利用が必要になることが考えられます。親御さんが知的障害のある子が未成年のうちに、親権を使って子供を代理して夫婦の一方と任意後見契約を締結することで、子どもが成人した後も法定後見を利用せずに財産管理を行うことは可能になります。ただし、その場合でも、「後見監督人」は必ず付きます。任意後見では、他人の関与を一切外すことはできないんですね。
そこで家族信託と任意後見を組み合わせます。
そうすることで、財産管理と生活支援を両立させることができます。信頼できる家族が財産を管理して、後見人が生活の支援、例えば医療・介護サービスなどの契約手続きや施設への入所手続きなど身上監護をメインに行います。
任意後見人は財産管理もできますが、任意後見契約では後見監督人が付きますので、他人の関与があります。その財産管理部分を家族信託で行うんですね。
家族信託契約で信頼できる家族に財産管理を任せれば、他人の関与なく、知的障害のある子が成人した後も預貯金の引き出しや年金、収入の管理、自宅不動産の管理や売却など家族の意思で行うことができます。
次の問題は親が年老いたとき
子どもが未成年の間に親権を使って任意後見契約を結んでおき、家族信託契約をしておくことで親が元気なうちは特に問題はありませんが、20年後、30年後と月日が経てば、親も70歳、80歳という年齢になります。高齢になればなる程、親自身の病気や認知症などで従来通りの任意後見人としての事務ができなくなることが考えられます。そこで、親が選んだ人物や団体を次の後見人に選任することができる権限も最初に与えておくことが必要です。
家族信託も最初は財産管理を受託者として親が行う契約をしていたら、契約の変更をして受託者を親から兄弟姉妹に移すことも必要ですね。もちろん、最初の契約時にそのときのことを想定して受託者の変更事由を盛り込んでおくことでも対応が可能です。
何もやっていないとどうなるか?
任意後見契約も家族信託も何もやっておらず、親が認知症や重病になってしまうとどうなるでしょう?
今の法律で言えば家庭裁判所が法定後見人を選任することになります。
大切な子供の財産管理や身上保護を他人が行うことになるのです。
しかも、子ども名義の預金から、毎月、法定後見人に報酬を支払わなければなりませんし、途中で法定後見をやめることも基本的にはできないんです。
何もしていなければ、将来的に子供の幸せをコントロールする権利がなくなってしまいます。子供のために大切に貯めたお金を使う権利も、子供のためにより良い施設を選ぶ権利も何もなくなってしまうんです。
どうか、今のうちに、何らかの対策を!!
子供が幸せに一生を暮らせるように、どうか、親御さんの持つ権利を手放さないでください。
「親権」はとてつもなく大きな権利です。親権を使って子どもにより良い環境を与えることができるんです。ところが、「親権」は子供が成人すると消滅してしまいます。
もうすぐ消滅しますよ~なんて、教えてくれません。
親も年をとります。いずれ死にます。親亡き後も子供が幸せに生きられる対策をどうか、今のうちにご検討いただければ幸いです。
