花橋こずえ行政書士事務所

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生命保険と信託の法的構成

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今の日本には、民法という法律があって財産や身上に関する基本法とされています。そして、その中に「相続」という規定があって、人が亡くなると法定相続人として条文の中で決められた人に、自動的に財産が移る決まりになっています。相続の開始と同時に(つまり、死んだとき)に亡くなった人の財産は法定相続人の物となるんです。
では、日本人の財産の承継に関して、民法以外の法律が適用される、要するに「相続ではない」承継方法があるんでしょうか?
今日はこのお話を少ししてみたいと思います。

相続ではない「財産の承継方法」って?

今の日本で民法以外の法律が適用される皆さんが知っているものといえば、「生命保険」がありますね。

生命保険がなぜ相続ではないか?というと、生前の「契約」で自分の死後の財産の行方を自分自身で決めているからです。

実は最高裁判所はずっと以前から「死亡保険金は相続財産ではなく、受取人固有の財産である」との判例をいくつも出しています。

ということは、生前に「契約」によって行く先を決めた財産は「相続のルール」には従わずに契約のルールに従って財産が承継されるということですね。だから、相続のルールは適用されなくなる。ということが言えます。

この契約によって行く先を決めることは、実は「信託も同じ」なんですね。生命保険と信託は同様の法的構造を持っているんです。

ですから、信託も生命保険と同じように契約で財産の行く先を決めて、相続のルールに従わずに信託法のルールに従って財産の承継がされるんです。

でも、普及率は低いです。

生命保険は普及率が80%を超えていると言われているのに、個人間で自由に行う信託(家族信託)は、以前からあった信託会社や信託銀行による商事信託と誤解されている部分、混同されている部分もあって普及率はとても低いです。

日本では普及率は低いけれど?!

日本では信託法の普及率は低いですが、欧米ではほとんどの方が信託をされます。「リビングトラスト」や「ラビングトラスト」と呼ばれていて、大人の責任として「信託をするのがあたりまえ」のようになっているんですね。

生前に何の対策もしていなければ、アメリカではプロベート(裁判所の公開検認制度)に服すことになって、時間もお金もかかって大変なんです。ですから、それを回避するためにみんなトラスト(信託)をするんですね。

自分の財産を自分の希望通りに承継するために

信託を活用すれば、自分の財産を自分の希望通りに承継ができることに加えて、結果的に認知症対策にもなりますね。(なぜなら、信託契約を締結したときから効力が発生するからです。遺言では死んだ後でなければ効力が発せられませんから、生前の認知症対策には家族信託が非常に有効です)

いかがでしたか?

皆さんが当たり前と思っている民法の相続制度。少し角度を変えてみると、違う方法も見えてくるかもしれません。

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