漁船登録申請させていただきました!

当事務所は海事代理士事務所でもあります。皆さん、「海事代理士」って聞いたことありますか?知らない方がとても多いと思います。
よく、「それ何?」と聞かれます(笑)
海事代理士は、海事諸法令に基づいて、船舶登記や船舶登録、検査申請、船員に関する労務、その他海事許認可など、海事に関する申請や届出など依頼者に代わって代理・代行することを業とします。
今回のご依頼は漁船登録したいという個人の方でした。今日は、漁船登録について少しだけお話させていただきたいと思います。
実は、漁船登録申請自体は行政書士業務です。
お客様は、当社のHPを見て、浜名湖に海事代理士がいるんだ!と、お電話をくださった地元の方です。
漁船登録をしたくて海事代理士を探していたとのこと。海事代理士として新米の私は、お電話をいただいてとても嬉しかったです。
ところが、漁船の登録自体は行政書士のお仕事なんですね。私は行政書士登録もしているので、無事にお仕事をご依頼いただくことができました。でも、「漁船の登録」と言って、行政書士を思い浮かべる人は少ないですよね。海の仕事だから海事代理士だろうとお電話をくださったお客様、本当にありがとうございました!
海事代理士だけど新米です!
と正直にお話しました。そして、新米だけども、一生懸命やらせていただきたいとお話しましたら、快く了解していただきました。
まずは、県の水産資源課に問い合わせ!
漁船登録したい船があると静岡県経済産業部 水産・海洋局 水産資源課のご担当者様へお電話しました。
必要書類や要件、その他諸々確認させていただくため、実際にお会いすることに。
お話した内容の詳細はここには載せられませんが、とても丁寧にご説明くださり、「お客様の船なら登録ができる!!」と、確信を持つことができました。
お客様へご連絡。
お客様の船なら、漁船登録が可能であろう旨をご連絡。ここから一緒に必要な書類を集めていくことになりました。お客様はとても喜んでおられ、船舶の謄本なども自ら進んで取りに行ってくださいました。ありがとうございました!
別日には、マリーナで船舶の写真撮影とエンジンの封印写真を撮影
とても天気の良い日の朝、お客様とマリーナで待ち合わせして、船舶の写真撮影を行いました。
海は濃い青で太陽の光に波面が反射してキラキラしている中に、お客様の真っ白な船。自分のスマホで撮った写真ですが、写真家が撮ったのか?というくらい綺麗な出来栄えで自分でもびっくりです。
船舶の全体写真から、前部、後部、運転席も含めてもれなく撮影します。
さぁ、次は大変なエンジンルームの中のエンジンの封印写真です。
エンジンはメーカーによって違い、封印の箇所ももちろん違います。私もこのときはじめて知ったのですが、自動車の封印をイメージしていたのですが、船のエンジンの封印は鋼のロープ?!で記されていました。かっこいい!!

こちらが封印の写真ですが、よく見ると鋼の細いロープがあると思います。このロープが繋がっていることで、一度もエンジンをばらしたことがない(改造したことがない)という証拠になるんですね。
そして、なんと、この写真はお客様自身が撮ってくださったんです。
私は汚れても良い服で行っていたので、もちろん、私がエンジンルームに入らせていただいて、この写真を撮るつもりだったのですが、お客様が「いいよ、いいよ、自分で撮る」と言ってエンジンルームに入って行かれました。
それでも、「封印ってどれかわからん」と真っ暗なエンジンルームからお客様の声が聞こえます。
私は事前に用意していたお客様の船のエンジンのメーカー(ヤンマー)の型式から、おそらくこの辺という目星を付けていたので、その図面をお渡しします。
ドキドキして待っていると、「あー、これか。これがこうなってつながって、あったあった!!」とお客様。
そして撮っていただいたのが上記の写真です。
お客様と一緒に一つの仕事をやり終えて、2人とも達成感で満ちました(笑
これも本当に大変貴重な良い経験となりました。お客様との楽しい時間となり、あっという間に撮影時間が終わりました。
後は漁船登録申請書を仕上げるだけです。
必要な書類、情報、写真がそろいましたので、漁船登録申請書を仕上げます。このあたりの仕事は行政書士でよくやっているので、スムーズに仕上げることができました。
もちろん、停泊しているマリーナの案内図と停泊場所の図面も忘れずに!
メールにて提出後1週間程で申請可の連絡がありました。
とてもきれいに書類が出来ていることを褒めていただき、静岡県水産資源課のご担当者様と対面ですべての申請書を提出します。
その後、1週間程で漁船の登録証が届きました。
お客様には大変喜んでいただいて、私も本当に嬉しいです。
お客様は漁業以外、他の仕事についておらず、まさにもっぱら漁業に従事する日本船舶 所有者様です。
そのため、漁船登録もスムーズにできております。
「もっぱら漁業に従事」しているかどうかは、出漁日数や水揚げ額、又は事業計画を提出していただき、個別に審査されることになりますので、ご心配な場合は、お問合わせくださいませ。
花橋こずえ行政書士・海事事務所では、上記のようなお仕事も承っております。お気軽にご連絡いただければ幸いです。
