旅客船の総合的な安全・安心対策+ONEマーク

令和4年4月、北海道の知床にて遊覧船事故により26人が死亡するという大変痛ましい事故が起きました。この事故を受け、「知床遊覧船事故対策検討委員会」が設置され、「旅客船の総合的な安全・安心対策」がとりまとめられ、そのうちの一つとして利用者が事業者の安全性向上の取り組みを確認しやすいように、評価・認証制度+ONEマーク制度の運用が開始されました。今日は、この+ONEマーク制度の創設について、お話してみたいと思います。
+ONEマーク(プラスワンマーク)制度の概要
+ONEマーク制度の目的は?
・利用者が事業者の安全性向上の取り組みを簡便に確認できるようにし、利用者の安心に資する制度とする。
・利用者による事業者の評価・選択を通じて、安全性の向上のための事業者の取り組みを促進する。
以上のことが目的となります。
+ONEマーク制度は、事業者の申請に基づく任意の制度です。事業者単位で評価され、対象者は不定期航路事業者です。
これは、知床遊覧船事故が不定期航路事業者による事故であったことや、利用者が事業者を選ぶことができるのは、生活航路よりも観光などで遊覧船等に乗船する場合がほとんどであることから対象を不定期航路事業者としています。
評価の方法は?誰が評価するの?
評価認証団体による書類審査が行われます。評価認証団体は、先般行われた公募により「一般社団法人日本海事代理士会」が選定されました。
申請の要件は?
①事業許可取得(又は届出)後、3年以上経過していること。
②過去に認証の取り消しを受けた際の欠格期間に該当していないこと。
以上が要件です。
どうやって評価するの?評価の方法は?
評価基準は、船舶の安全性を評価するものではなく、事業者が法令順守していることを確認した上で、それを超える上乗せの安全性向上に積極的に取り組んでいることを評価するものです。
詳しい評価方法については、今後、一般社団法人日本海事代理士会が実施する講習会において説明される予定ですが、
①利用者が事業者の安全性向上の取り組みを簡便に確認できるようにし、利用者の安心に資する制度とする
②利用者による事業者の評価・選択を通して、安全性の向上のための事業者の取り組みを促進するため、「海難防止・救命・乗客への情報提供」といった「安全性に対する取り組み状況」と「運輸安全マネジメントの取り組み状況」について、申請事業者の自認内容を書類審査したうえで評価を実施します。
認証の有効期間は?
2段階評価を取り入れています。
まず、第一段階の認証の有効期間を3年とします。第一段階では、安全性向上に向けた積極性を評価して、第一段階の認証を取得している事業者が第一段階の認証を取得後の3年後においても同様の取り組み基準を満たしている場合には、その持続性を評価する第二段階の認証として、有効期間を6年間とします。(上位マーク取得事業者となります)
いかがでしたか?
旅客船の利用者がこの+ONEマーク制度によって、事業者が安全性の取り組みを実施していることを簡単に確認できるようになりますね。
そうなればおのずと、利用者は+ONEマークの認証を得ている事業者を選ばれると思いますので、多くの事業者様がこの制度に参加され、安全性を重視した事業の取り組みが促進されることを期待しています。
