家族信託についてよくいただくご質問

花橋こずえ行政書士事務所は、相続に関すること、家族信託に関することを大きく専門にしています。
その中で、家族信託についてお客様からよくいただくご質問がありますので、今日はそちらの回答をさせていただきたいと思います。少しでも皆様のお役立ち情報として
お役にたてれば幸いです。
最初に決めた金額を増やしたい。どうすればいい?
最初に作った信託契約書の中では、金銭として「300万円」を信託することにしておいたけど、施設への入所費などが思ったよりもかかってしまい、追加で金銭を増やしたいんだけど???
このご質問はとても多いです。
答えは、いつでも、お好きな金額を追加で信託口座に送金して大丈夫です!
ただし、親御さんがお元気なうちにお願いします。認知症や重病で意思の疎通ができなくなると送金もできなくなりますから、それまではお好きなタイミングでお好きなときに送金していただけますが、そろそろ本当に親御さんの調子が悪くみられたら、ある程度のまとまった金額を信託口座に送金しておいた方が良いですね。
また、この「何度でもお好きなときにできますよ!」という回答は、当事務所で契約書を作成していただいた場合のみです。
当事務所の契約書は、何度でもお好きな時に追加で金銭を信託できる旨が条項に記載されますので、契約書に則って自由にできるのですが、そうではない契約書も存在します。
追加で金銭を信託(送金)する都度、手数料がかかるところもありますし、その都度契約書の内容を書きかえなくてはならない契約書も存在します。ともすれば、その都度、手数料という名目でお金がかかってしまいます。
花橋こずえ行政書士事務所では、そのような契約書は本末転倒。実際に運営するご家族が使いやすい契約書の内容でなければならないと考えていますので、「何度でも、お好きなときに追加で信託(金銭)を送金できます」という内容の契約書を作っているんです。
信託口口座を作らないといけないの?
こちらもよくいただくご質問です。
答えは、「いいえ。」です。信託法には、どこにも信託口口座でなければならない。などとは書かれていないんですね。
信託法で定められているのは、受託者は、自己の財産と分けて信託財産を管理運用しなければならないという、分別管理義務のみが定められているんです。
ですから、受託者である財産を託される人の口座をそのまま使えます。一度、今ある残高を出金していただいて、「0円」にしてから信託専用口座として使用していただくか、若しくは好きな銀行で新しく普通預金口座を開設していただいて、その口座を信託専用口座として使っていくか、どちらでも構いません。
銀行で「信託口口座」を開設するとなると、そのための手数料も〇〇万円(銀行により違います)かかったり、時間も数か月かかったりします。さらに、信託契約書の内容も細かく指定されてしまって制約が多い契約書の内容になってしまいます。
もちろん、そのような契約書を必要とされる場合もありますが、私が主に携わらせていただいているのは、ご家族内での家族信託契約です。ご家族で運営されるわけですから、できるだけ制約の少ない契約書の内容にしたいと思っています。信託法は順守している中で、制約はできるだけ少なく、本当に必要な場合は、公正証書にしますが、その必要がそこまで無い場合は、公正証書にすることもありません。
銀行が作る信託契約書は、ほとんどの場合が公正証書ですね。
公正証書にすれば、その分費用もかかります。実際に親御さんが公証役場に出向かなければならない。さらに、契約書の内容を公証人から質問されますから、しっかりと理解し、回答しなければならない。というまずまず大変なご負担があります。
まだお若いお元気な親御さんでしたら、問題ないでしょうが、実際に家族信託をされる方は高齢の親御さんが多いです。高齢の親御さんが、これからのことを自分の子供たちに任せたい。というご家族での家族信託契約は、私は公正証書にする必要性がそこまでないと思っておりますので、公正証書にはしないです。
そのかわりに、公証人の宣誓認証をもらったり、確定日付を取得するなどして対応しております。
ただ、信託専用口座にする場合、1つだけご注意いただきたいことがあります。
それは、受託者(財産を託された子供さん)が委託者(親御さん)より、早く亡くなってしまう場合です。
この場合は、銀行は信託口口座では無いとして、受託者の個人口座として扱われます。その場合、死亡により凍結されてしまいますので、対策が必要です。
当事務所では、できるだけ早い段階で口座凍結を解除するよう対策を行いますが、そもそも、親より子供が先に亡くなる可能性はどのくらいだと思いますか?
もちろん、ゼロではありませんが、現代の日本ではかなり低いというのが現実です。
厚生労働省が発表している簡易生命表や、国立社会保障・人口問題研究所が発表している人口統計資料から、1年以内に死亡する確率を概算しますと、
60代の死亡率は:年間0.7%~1%
70代の死亡率は:年間1.8~3%
80代の死亡率は:年間5%以上
となり、年齢が上がるにつれて死亡率は子供の数の10倍から数百倍になります。
このことから、健康な親子の場合、「子が親より先に亡くなる確率」は非常に低く、統計上は数%以下です。普通に親から子の順番で亡くなるのが圧倒的に多いんです。
また、当事務所が所属している(社)民事信託相談センターは、家族信託契約件数が現在までに250件を超えていますが、そのうち、受託者が先に死亡してしまったのは1件だけです。その1件も事前に対策をしていたので、最短で口座凍結解除ができ、今現在も問題なく信託を続けていらっしゃいます。
ですから、当事務所では、【信託口口座にするメリットデメリット】と【信託専用口座にするメリットデメリット】を比較検討して、ご家族内での信託の場合は、信託専用口座としているんですね。
遺言があるけど、信託もできるの?
遺言と信託ではどっちが優先されるの?
こちらも時々ご質問をいただきます。
答えは、もちろん、遺言があっても信託することは可能ですし、信託が優先されます。
なぜなら、家族信託は「生前に財産の管理権・処分権を移す契約」です。それに対して遺言は、「死亡したその時から効力が生じる単独行為」です。
つまり、信託契約が先に成立すると、その財産は、信託財産となって、本人の固有の財産ではなくなるんですね。そのため、遺言でその財産を動かすことはできないということになります。
例えば、先に遺言を書いていても、そのあとで家族信託で財産を信託したら、遺言のその部分は事実上、効力が無くなります。(※遺言変更と同じ効果になります)
では、遺言が優先されるケースはあるの?
はい、信託に入れていない財産に関しては、遺言がそのまま効力を発揮します。
例えば、自宅を信託していれば、それは信託財産となりますが、預金や現金など信託契約に入れなかった財産は、信託財産とはなりませんから、遺言で自由に承継先を指定することは可能です。
そのため、信託に入れなかった財産のために遺言をすることは、とても意味があることです。逆に、すべての財産を信託したいよという方は、一度花橋こずえ行政書士事務所までご相談いただければと思います。
いかがでしたか?
家族信託については、まだまだ十分な情報が発信されておりませんので、この記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。









