家族信託は万能ではありません。それでも“選ばれる理由”と“失敗しない設計”

家族信託は、「認知症対策に有効」「相続対策になる」と言われることが多く、最近ではテレビやインターネットでも目にする機会が増えました。
しかし、実際のご相談現場では、「本当にうちのケースで使えるの?」「金融機関が絡む不動産でも大丈夫?」「一度信託したらもう戻せないの?」というような一歩踏み込んだご不安をお持ちの方が少なくありません。
この記事では、家族信託を「おすすめするため」ではなく、正しく理解し、使うべきかどうかを判断するための視点を、少し専門的にお話したいと思います。
家族信託が「向いているケース」と「向いていないケース」
向いているケース
・収益不動産があり、将来の管理・賃貸・修繕・売却判断が必要
・相続人は限定的だが、意思能力低下リスクが高い
・遺言では対応できない「生前の財産管理」が必要
・実家に住む予定がなく、将来空き家になりそう
向いていないケース
・預貯金のみで金額も少額
・既に後見制度の利用が現実的な場合
抵当権付き不動産と家族信託の“現実”
抵当権が付いている不動産は、金融機関の承諾が必須です。金融機関の承諾がなく、信託できないケースは実はたくさんあるんです。
実務上は、
・信託そのものを断られる
・条件付きで承諾をもらえる(期限、報告義務等)
・借り換えを求められる
など、金融機関によって対応は異なります。
ここで重要なのは、「信託できるか」ではなく、「信託後も運用できるか」という視点です。
家族信託が難しい場合の“現実的な代替案”
家族信託が出来なかった場合の代替案として
・管理委任契約
・任意後見契約
・法人化(資産管理会社)
・遺言+生前贈与の組み合わせ
などが考えられますが、それぞれ信託より劣るということではなく、目的が違うため、メリットデメリットがありますので、まずはお客様の置かれた状況とお客様のご希望を伺ってひとつひとつどれが一番適しているのかを判断させていただきたいので、ご面談をさせていただければと思います。
信託設計で差がでる「失敗しやすいポイント」
・受託者の権限が広すぎる/狭すぎる
・受益者連続型の理解不足
・将来の相続人トラブルの想定をしていない
・税務・登記との連携不足
家族信託は、「契約書を作って終わり」ではありません。10年、20年先まで動かす制度だからこそ、設計段階での想像力が大変重要になります。
いざそのときになって、登記ができなかった。信託が継続できなくなってしまったなどが起こらないように、信託の設計の段階でできる限りの予測をたて、それを信託契約書に落とし込み、できるだけ問題が起こらないようにすることが大切です。
浜松市の信託・相続専門の行政書士として
家族信託は、制度としては非常に柔軟ですが、その分「誰が・何のために・どこまで」関与するのかを丁寧に整理する必要があります。
花橋こずえ行政書士事務所では、
・家族信託を使うべきかどうか
・使わない場合の代替案
なども含めてご案内しております。
浜松市・磐田市・湖西市・豊橋市周辺でご家族の将来に不安を感じていらっしゃる方は、どうぞお気軽にご相談ください。








