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危険です!信託における受託者借入れ

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信託法の条文の中には、信託財産責任負担債務が書かれています。
これは、信託財産を債務者とする債権のことですが、日本の法制度上、信託財産は法人格を持たないので、受託者個人が債務者となっているケースが見受けられます。
信託によって名義が変わることで、住宅ローンなどの債務も受託者に移動すべきという考えで、受託者が信託財産責任負担債務に対する無限責任を負わされてしまうというというのは理不尽です。本当にご注意いただきたいことなので、今日は信託財産責任負担債務についてお話したいと思います。

信託財産責任負担債務があるからといって、受託者が安易に借入を起こすべきではありません。

家族信託(民事信託)では、「信託財産責任負担債務」という言葉が出てきます。

これは、簡単にいうと、信託に関して生じた債務は、原則として信託財産から弁済されるという仕組みです。

この仕組みだけを見ると、

「信託財産が責任を負うのだから、受託者が借入をしても問題ないのでは?」と思われる方もいらっしゃいます。

しかし、実務上は、受託者が借入を起こすことには、非常に慎重であるべきです。

受託者借入には次のような大きなリスクがあります。

①受託者個人の責任を完全に切り離せるとは限らない。

信託財産責任負担債務であっても、金融機関との契約内容によっては、

・受託者個人が連帯保証人になる

・受託者個人の責任を免除しない契約になる

・受託者個人を契約当事者とする

・受託者個人に返済義務務を負わせる

といったケースが多く見られます。

結果として、信託のつもりが、受託者個人の多額の負債になってしまうこともあります。

そうなんです。信託財産責任負担債務であるはずの借入が、受託者個人の重大なリスクとなることがあるんです。

②受益者の利益を害するおそれがある

受託者は、受益者の利益を最優先に行動するべき立場です。

しかし、借入を起こすことで、

・返済負担が信託財産を圧迫する

・想定外の金利上昇や返済不能リスクが生じる

その結果、信託の目的が達成できなくなる

など、受益者の利益を損なう結果になる可能性があります。

これは、受託者の「善管注意義務」違反や「損害賠償責任」を問われるリスクにもつながります。

③信託契約の想定を超える行為になりやすい。

多くの信託契約は、

・財産の管理・処分

・生活費や介護費の支払い

といった内容を想定して設計されています。

借入行為は、これらを大きく超えるリスク行為であり、信託契約の趣旨に反すると評価される可能性もあります。

原則として、信託は「借金をしない設計」が望ましい

家族信託は、本来、

・財産を守る

・円滑に管理・承継する

ための制度です。

そのため、借入を前提としない設計

借入が不要な財産構成・資金計画

をあらかじめ考えることが重要です。

まとめ

信託財産責任負担債務があるからといって、受託者が自由に借り入れをして良いわけではありません。

受託者の借入は、

・受託者自身のリスク

・受益者の不利益

・信託全体の破綻

につながるおそれがありますので、極めて慎重な判断が求められます。

家族信託は、「信託の設計がすべて」と言っても過言ではありません。

家族信託は、内容次第で大きな安心にも、大きなリスクにもなります。

借入や資金計画が少しでも関係しそうな場合は、契約前に一度ご相談ください。

花橋こずえ行政書士事務所では、信託法と実務の両面から丁寧に確認いたします。

お気軽にご相談くださいませ。

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